2024 年 80 巻 10 号 論文ID: 24-00072
障害者等の円滑な移動環境確保のため,我が国では,路上に適用される都道府県公安委員会所管の制度と,路外に適用される地方公共団体所管の罰則のない任意制度がある.本研究ではこれらの制度をパーキング・パーミット制度と総称し,諸外国との制度比較を通し,課題の明確化と制度改善等を検討した.路外について,少なくとも,イギリス(イングランド)とドイツ(NRW州)では適用される制度・罰則がないこと,アメリカ(カリフォルニア州等)とフランスでは商業施設等の公共性のある施設に適用される制度・罰則があるが必ずしも有効に運用されていないことから,障害者等用駐車区画の不適正利用は共通課題であることを明らかにした.一方,我が国の路外駐車場について,法令的・実務的な課題はあるものの,罰則等の手段が適用できる可能性を示した.