2024 年 80 巻 11 号 論文ID: 23-00254
近年,人工衛星SARデータの活用については社会インフラ設備の維持管理などへの研究も進んできており,年間最大10mm程度変位し,外部変形量を連続計測していたロックフィルダムにおいて,PSInSAR解析による恒久散乱点の変位の計測精度の検証がされた.本論文では,年間最大2mm程度の変位で,変形量が小さい,大規模な6基のロックフィルダムを対象に,北行,南行軌道それぞれ2017年4月から2022年12月までの最大5年9カ月間のCバンドのSentinel-1 SARデータを用いてPSInSAR解析を実施し,ロックフィルダムの外部変位量を計測した.PSInSAR解析結果と3カ月間隔で実施している測量による外部変形量を比較して精度の評価をするとともに,変位量が小さいロックフィルダムにおいても,健全性評価にPSInSAR解析による計測が活用できることを示した.