土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(地震工学)論文
機能分離により地震後の早期復旧を可能とするメタボリズム鋼製柱構造の改良
植村 佳大白井 洵高橋 良和
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2024 年 80 巻 13 号 論文ID: 23-13144

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抄録

 著者らは一連の研究で,軸力支持下での耐震性能の改変や地震後の早期復旧が可能なメタボリズム柱構造の開発を行ってきた.メタボリズム柱構造とは,柱基部を二重構造とし,地震エネルギー吸収能を期待する可換部を外殻に,常時の軸力・せん断力を支持する永続部を柱内部に配置した構造である.本研究では,地震後の橋梁構造の復旧性向上を目的に,橋脚が有する機能を整理しつつ,メタボリズム鋼製柱構造の改良を行った.具体的には,永続部の軸剛性を高めることが柱の耐震性能ならびに地震後の復旧性に与える影響について,正負交番載荷実験により検討した.その結果,永続部の軸剛性の向上により,柱の耐震性能が向上することに加え,支点の位置が保持された状態で地震後の復旧性作業が可能となり,復旧性向上に寄与することが示された.

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