2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16159
本研究では,湛水量と洪水到達時間から浸水深分布を評価するリアルタイム内水氾濫予測を提案したものである.この方法は,事前準備フェイズにおいて複数の降雨外力による氾濫解析結果である浸水深分布を予め保存しておき,実時間運用フェイズではそれら浸水深分布を任意降雨波形から算定される湛水量と洪水到達時間に応じて呼び出すことにより,実時間運用フェイズにおいて計算負荷の少なく,計算時間を短縮する方法である.提案方法の検証にあたり,従来の平面二次元不定流計算での氾濫解析結果と,提案方法による結果を比較した.また,水害ハザードマップ作成の手引きに則った配色による提案方法の表示を検討した.提案方法は,湛水量の時間変化,最大浸水深分布,床上浸水発生時刻,および床上浸水発生箇所を評価できると考えられた.