2024 年 80 巻 16 号 論文ID: 23-16196
本論文では,欠測値を含むデータセットから直接学習可能な欠測対応スパースモデリング(HMLasso)による水位推論を提案し,その有効性を検証した.河川情報で生じる観測所の未観測,観測エラーなどによる欠測への対応手法として,HMLassoによる欠測処理の有用性を検証するため,令和4年8月に出水事例が報告された最上川を対象に,従来法と比較した.さらに,学習データの欠測率を最大50%まで人為的に増加させ評価した.その結果,HMLassoモデルはNash-Sutcliffe係数で,実測値で学習した場合で0.876に対し,50%欠測では0.842と,欠測率による性能低下が少ないとわかった.