土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
力学系理論による高潮と副振動に着目した潮位予測
瀧川 宏樹奥野 峻也
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2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17037

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抄録

 海岸保全施投や港湾施設等の適時適切な操作には,高精度な潮位予測が重要な役割を果たす.潮位予測においては台風や低気圧等の気象擾乱に起因する高潮に加え,特に閉鎖性内湾においては海面の変動が湾の固有周期に共嗚して生じる副振動を考慮する必要がある.台風通過後においても,副振動が満潮と重なった際には浸水被害が発生する危険性がある.本研究では,東京湾を対象に高潮と副振動の両現象に着目し,力学系理論に基づきデータ駆動で潮位予測を実施した.特徴量として海面更正気圧,地表風,湾内の複数の潮位偏差の実績値および天文潮位を学習させ,東京潮位観測所における予測モデルを構築した.気象予報等の入力誤差を考慮しても高潮・副振動の両現象に対し良好な予測結果が得られ,実運用に資する予測精度であることを確認した.

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