2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17140
日本海に注ぐ関川の河口は,冬季高波浪の卓越波向であるNNW方向に開口している.このため,冬季の高波浪が河道を遡上し,関川左岸の河口~約1.6kで土砂が堆積し易い状況になっている.既往研究では,長周期波により堆砂が促進されたことを報告している.本研究では,先ず,河川流により形成される地形特性把握のため,空中写真,地形測量,河川流量等のデータを分析し,0.7k付近より上流に寄洲が形成されることを明らかにした.次に,河口~0.7kの土砂堆積要因を明らかにするため,冬季の高波浪発生期間に河道内で波浪・流況観測ならびに地形測量を実施した.河口~0.4k付近は,主に,風波により河道内の土砂が移動・堆積しており,0.4kより上流では長周期波が段波状に遡上する際に,土砂を輸送する可能性があることが分かった.