2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18006
下新川海岸において,主要な漂砂源であった黒部川の河床掘削土砂を用いて,下飯野地先において養浜の現地実験を行い,緩傾斜護岸ののり先に礫浜を復元する計画の妥当性について調べた.現地実験では,粒径d1 = 20~100mmの礫1,000m3と,粒径d2 = 100~200mmの礫5,000m3を離岸堤開口部に投入し,その移動状況を調べた.礫の投入後,深浅測量やUAV調査などにより,礫浜の変形状況を追跡した.この結果,径がd1 = 20~100mmとd2 = 100~200mmと粒径が大きな礫は,礫径が大きいため平衡勾配も1/2.4と大きく,礫は前浜にうちあげられてバームが形成された.礫は,離岸堤開口部背後から離岸堤端部背後へと移動して堆積した.これより,礫養浜により緩傾斜護岸ののり先に礫浜を形成できることが分かった.