2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18016
著者らは,洋上風車モノパイル式基礎(以下,MP)の周囲にひと回り大きな円筒形の水中制震版(以下,制震版)を一部水中に没水させて設置し,外力を受ける際に制震版がMPとともに水平方向に振動する際の制震版と水の相互作用により,MPの断面力を低減させる構造を提案している.水中振動台を用いた模型振動実験から,MPに作用する断面力が低減することが確認されているが,制震機構の一つと考えられる水による抵抗の定量的な評価方法は課題として残されている.そこで,本研究では水による外力をモリソン式で表現し,運動方程式の減衰項をダンパー要素で簡易的にモデル化し,梁ばねモデルによる模型振動実験結果の再現解析を行った.解析の結果,モリソン式を適用したモデル化方法は概ね実験結果を再現できることを確認した.