抄録
本研究の目的は,下肢に初めてギプス固定を行う患者に対する外来看護師による看護支援内容の実態と課
題を明らかにし,共有することである.整形外科外来看護師(74名)を対象に質問紙調査を行った.その結
果,ほとんどの看護師がギプス固定自体に伴う援助を行っていることがわかった.1枚の説明用紙を用い,障
害部位や理解力に合わせて10分程度で,循環障害・神経障害をはじめとした合併症予防を重視した患者教育
を行っていた.活動制限に関する指導は半数程度の実施であったものの,履物や排泄時の工夫など具体的な
教育内容の自由記載があった.ギプス固定後の患者支援のために,主に医師・理学療法士と連携をはかって
いることも確認できた.患者教育に用いるツールの開発や,より個別的かつ具体的な日常生活指導を行う場
合の判断基準や内容を見出し,普及することが必要であると考える.