2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18035
直立堤の堤頭部捨石マウンドには,大別して等深線がほぼ直角に交差して稜線を形成する直交型と等深線が円弧状に滑らかに接続する円弧型の2種類がある.本研究は,これら2種類のマウンド形状による港内波浪の静穏化効果への影響について数値解析的に検討した.この事前検討として,マウンド形状による波高変動への影響を知る目的から,従来において実験的ならびに理論的な結果が知られている球面浅瀬モデルと新規に直交型に類似の正方形浅瀬モデルの両者を対象にして,浅瀬背後の波高増幅特性などについて検討を加えた.その結果,正方形浅瀬は,球面浅瀬に比較して集波効果が顕著であることや,直交型捨石マウンドは円弧型のそれに比較して港奥側に部分的ではあるが高波高領域を形成しやすいことなどを明らかにした.