2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18056
熱帯及び亜熱帯圏の諸外国では,マングローブ林を防災機能として活用する取り組みが盛んであり,技術支援の観点からもマングローブ林の調査及びその防災効果の検証は重要である.しかし,従来のマングローブ林を対象とした測量はレベル測量が一般的であり,時空間的に広大なスケールを持つマングローブ林及びその周辺地形の変化を追随するのは難しい.本研究では,石垣市名蔵湾に植生するマングローブ林及びその周辺地形を対象として,RTK-UAVを用いた写真測量を実施した.これより,マングローブの樹形諸量(樹高分布,胸高直径,支柱根)が現地計測と良く一致することを確認するとともに,樹高分布の把握ならびに3Dモデルの作成を行った.また,マングローブ林の沖側及び岸側での堆砂傾向について要因の考察を行った.