2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18069
着床式洋上風力発電基礎周辺の洗掘の評価における数値解析の活用に向けた取り組みとして,モノパイルとサクションバケットの周辺に生じる洗掘の検討を行った山野・古畑(2022)の水理実験を対象に,波と地形変化の相互作用を解析できる数値計算モデルFS3Mによる再現計算を行った.その結果,モノパイルや開口部のない斜材付きのサクションバケットの場合には,波作用後の無次元最大洗掘深,最大洗掘深の発生位置,堆積の発生位置については再現性を確認でき,斜材のないサクションバケットや開口部のある斜材付きのサクションバケットの場合には,最大洗掘深の発生位置と堆積の発生位置については再現性を確認できた.ただし,それ以外の点では再現性に課題を残す結果となり,移動床のパラメータのキャリブレーションによる再現性向上の必要性が示された.