2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18070
近年,コンテナターミナル(CT)は,貨物輸送量の増加や労働力不足に対処するための生産性向上と,カーボンニュートラル社会実現のための脱炭素化が求められている.「コンテナ立体格納庫」を用いたCTは,コンテナ蔵置段数の増加,荷繰り不要化,分散蔵置による荷役作業の平準化等の利点を持つが,その荷役効率を詳細に分析した研究は少ない.本研究では,供用中の立体格納庫式CTの類型化及び特性分析を行った上で,数値シミュレーションにより蔵置容量・荷役速度・CO2排出量を定量評価した.その結果から,ある条件下において高い蔵置容量及び本船荷役速度を実現する段数や,荷役機械及び動作別のCO2排出量を明らかにした.また,それらを踏まえ,立体格納庫式CTの更なる蔵置容量増加やCO2排出量削減等の荷役高度化の方向性を提案した.