2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18071
近年,循環型社会への転換が求められ,廃資源の循環的利用の促進は急務である.廃資源の一つに水産系副産物であるホタテ貝殻があるが,産業廃棄物に分類され,処理費用の面で活用は進んでいない.この点で,建設資材としての利活用が期待されるが,軽量なホタテ貝殻(破砕貝殻)は,砂の代替材としての活用も限定的で,十分な活用とは言い難い.一方,破砕貝殻は,粒径等の調整で高透水性を確保できることから,地震時の間隙水圧消散工法への適用が期待できる.
本研究では,室内振動台実験により,破砕貝殻を用いる間隙水圧消散工法の柱状ドレーン内の地震時の過剰間隙水圧に対する粒子浮上について検討した.その結果,破砕貝殻の柱状ドレーンは間隙水圧の消散に有効であり,加振時にも粒子浮上せず,ドレーンの機能を維持することを明らかにした.