土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海洋開発)論文
破砕貝殻を用いた柱状ドレーン内の地震時の過剰間隙水圧に対する粒子浮上の実験的検討
本多 顕治郎宮﨑 航小林 薫
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18071

詳細
抄録

 近年,循環型社会への転換が求められ,廃資源の循環的利用の促進は急務である.廃資源の一つに水産系副産物であるホタテ貝殻があるが,産業廃棄物に分類され,処理費用の面で活用は進んでいない.この点で,建設資材としての利活用が期待されるが,軽量なホタテ貝殻(破砕貝殻)は,砂の代替材としての活用も限定的で,十分な活用とは言い難い.一方,破砕貝殻は,粒径等の調整で高透水性を確保できることから,地震時の間隙水圧消散工法への適用が期待できる.

 本研究では,室内振動台実験により,破砕貝殻を用いる間隙水圧消散工法の柱状ドレーン内の地震時の過剰間隙水圧に対する粒子浮上について検討した.その結果,破砕貝殻の柱状ドレーンは間隙水圧の消散に有効であり,加振時にも粒子浮上せず,ドレーンの機能を維持することを明らかにした.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top