2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18084
陸上の津波漂流物の流動挙動をモデル化するために,漂流物のアスペクト比ARや初期配置角度𝜃および作用波の波高𝐻を変化せた63ケースを対象に反復実験を実施した.本論文では津波流れに直交する方向の漂流物模型の変位ydに着目し,不確実性を有するydに対してその平均値ydm及び標準偏差ysdを検討した.流れに対して斜めに配置された漂流物模型の場合にはydmは有意になった.流下過程においてydmが大きな値になるのは模型が動き始めた頃であり,𝜃=0°〜90°の範囲では 45°の場合に最大であった.ysdは小さな𝐻ほど大きな値になったが,ARや𝜃に対して特徴的な特性は見出せなかったため,ysdの最大値についてモデル化した.漂流物の最大影響範囲をydm+2ysdにより定義した最大広がり角度によりモデル化した.