2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18085
石炭火力発電で定常的に燃焼残渣として発生する石炭灰の有効利用が求められている.一方,現在の石炭灰の主たる利用法はセメント材料であるが,有用資源として新たな利用方法の創出も重要である.そこで本研究では,洋上風力発電施設に着目し,必要とされる発電施設基礎周りの洗掘防止工で使用される石材の安定供給に資するよう,石炭灰混合人工石材の開発を進めている.ここでは,石炭灰混合人工石材を用いた袋型根固材を洋上風力発電施設基礎周りの洗掘防止工に適用した際の安定性と洗掘防止効果および予定する実海域実験での袋型根固材の配置について水理模型実験により検討した.その結果,石炭灰混合人工石材を用いた袋型根固材が予定する現地実験海域で安定であることを確認し,また従来の研究と同様の洗掘防止効果を期待できることを確認した.