2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18112
火山砕屑物の一種である軽石が海域に降下した場合,長期間漂流することで様々な問題を引き起こす.これまでに海岸構造物間に漂着・堆積した軽石群は,波・流れ・風場の変動により再漂流することが指摘されている.しかしながら,その再現性の困難さから堆積軽石群の再漂流に関して外力場がどの程度影響するかについては十分に検討がなされていない.そこで本研究は,大型風洞水槽を利用することで海岸構造物間に堆積している軽石群の再漂流過程を再現し,波場と風場が与える影響について実験的検討を行った.その結果,軽石の気中密度より軽石の漂流期間が推算可能であること,堆積軽石群の再漂流には,構造物形状と風場の影響が大きいこと,風波作用時に軽石筏を形成しやすいこと,風場と粒径から堆積軽石の残存率が推算できることがわかった.