土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
論文
地形を考慮したバス停へのアクセス評価に関する研究―横浜市金沢区を対象にしてー
森 直之髙見 淳史パラディ ジアンカルロス
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 80 巻 2 号 論文ID: 22-00336

詳細
抄録

 東京都市圏郊外部で1960年代以降開発された丘陵住宅地では,高齢化が進み移動に不自由を感じる住民が多くなっており,公共交通の利便性向上が求められている.本研究では横浜市金沢区を対象に,代謝的換算距離の概念を援用して地形と高齢者の歩行速度を考慮し,バス停へのアクセシビリティを評価した.その結果,最寄りバス停への代謝的換算距離は道路距離に比べて平均約1.62倍長く,標準偏差は約1.66倍大きくなることを明らかにした.また,バス停の300m到達圏域を算定したところ,直線距離到達圏域の人口の約57%が代謝的換算距離では到達圏域外となり,一般に行われている直線距離での評価は不便地域の人口を大幅に過小評価していることを示した.さらに,これらの結果に基づき,横浜市の地域交通施策の方向性について議論した.

著者関連情報
© 2024 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top