2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20095
人口減少や少子高齢化によって拠点の機能の低下が懸念されることから,足りない施設を拠点間連携により確保することが重要である.しかし,拠点間の連携を示すはずの将来都市構造図の計画軸は,施設補完による拠点間連携の検討が不十分である.そこで本研究では,公共交通で結ばれた拠点間において施設の立地から補完の重要性を定量的に示し,計画軸設定状況との関係の現状把握を行った.分析の結果,今回対象とする施設種において概ね施設補完の重要性が高い拠点間で連携を見据えた計画軸が設定されている一方で,施設補完の重要性が低い拠点間においても連携軸の設定がみられた.加えて,自治体間で連携の意図が明確に記されていない計画軸が確認できた.今後は,施設補完を考慮した計画軸設定や連携について自治体間で調整を図ることが重要である.