2024 年 80 巻 20 号 論文ID: 24-20126
本研究では,指定避難所の立地分布を考慮した徒歩による立退き避難の行動環境を評価する手法を提案し,長崎市の土砂災害警戒区域に適用,その有効性を示す.その評価手法では年齢及び道路勾配による歩行避難速度への影響をTobler関数を応用して定式化し,最寄り避難所の収容可能性及び徒歩による到達可能性の観点から住民の避難行動環境を評価する.最寄り避難所の収容可能性の低い地域の住民は,複数の避難所または指定避難所に拠らない避難行動計画,徒歩による到達可能性の低い地域の住民は車による避難や早期避難を考慮した避難行動計画の検討が必要であることが示唆される.