2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21003
積雪寒冷地では,厳冬期に凍結が路床まで達し,凍上によりアスファルト混合物層にひび割れが生じる場合がある.また,路床の凍結後,融解時に支持力が低下し,アスファルト混合物層のひび割れや沈下などの損傷につながることもある.そのため,凍上対策は積雪寒冷地において長寿命な舗装を構築する上で極めて重要である.本研究では,置換深さが不足し凍上による被害が生じている既設アスファルト舗装の凍上対策として,一般的に用いられる置換工法よりも掘削深さを抑制できる断熱工法について試験施工を行い,7年間にわたる追跡調査を行った.その結果,断熱工法は置換工法と同程度の凍上抑制効果および支持力を有していることがわかった.