2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21005
近年,アスファルト舗装の経年劣化による損傷と長期耐久性の課題の重要性が増している.その課題の一つである,アスファルト舗装の層間接着性を長期間保持することが可能になれば,舗装の寿命を大きく伸ばすことができると期待されているため,長期間接着性をもつタックコートの開発が進められている.これについて日本では,タックコートの接着性の評価として主に引張接着試験が用いられているが,アスファルト混合物の凝集破壊が起きてしまい,適切な評価ができないことがある.一方,欧米では,供試体を円柱形状とし,混合物の凝集破壊が抑制できるような試験治具を用いたせん断試験(以下,円柱せん断試験)で接着性を評価している.そこで,本研究では,円柱せん断試験のタックコートの接着性評価への適用性を検討した.その結果,円柱せん断試験では,混合物の凝集破壊を抑制でき,タックコートの接着性を適切に評価できることが示唆された.