2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22006
近年,都市高速道路の新たな路線の建設などの際に様々な制約条件により,大幅に偏心した橋脚などこれまでにない複雑な構造の適用が必要になることがある.このような構造の載荷試験をするにあたり,面外(橋軸)方向の載荷によりこれまでに見たことないようなねじり変形を伴う複雑な局部座屈の発生などが想定されることから,従来の変形計測方法では変形箇所の予測や斜めの変形取得が容易でないことが考えられる.そこで本論文では,大偏心のコンクリート充填鋼製橋脚に対する面外(橋軸)方向の載荷実験において,ねじり変形を伴う局部座屈形状の正確な把握を目的として,高精度点群データが取得可能なハンディスキャナを用いた計測の有効性を検証することにより,今後の活用の可能性を検討したので,ここに報告する.