2024 年 80 巻 22 号 論文ID: 23-22007
現行の歩行者交通量調査では,調査断面を通過する歩行者を人手により計数する手法が一般的なため,調査日や時間帯が限定される.近年,ビデオカメラで撮影した動画像を用いた調査事例が増えているが,個人情報やプライバシーへの配慮が必要である.そこで,対象とする歩行者を3次元の座標点の集合として計測できるLiDARが注目されている.しかし,反復型のLiDARでは,計測範囲を網羅的に計測できず当該調査への適用が困難である.そこで本研究では,計測範囲を網羅的に計測可能な非反復型のLiDARで計測した点群データから深層学習を用いた歩行者交通量調査を試行した.歩行者の計数結果より,正解率が低い場合で67.2%,高い場合で84.7%であることから,非反復型のLiDARで計測した点群データを用いた歩行者交通量調査への適用可能性があることが明らかになった.