2024 年 80 巻 23 号 論文ID: 24-23342
現在,我が国は,少子高齢化が引き起こす労働力不足といった社会問題に直面している.特に,建設業においては,労働者の減少に加え,経験豊富な技術者の離職,次世代の担い手不足といった深刻な問題に悩まされている.このような状況で,震災復興事業を早期に完了させるには,短期間での建設技術者の育成・技術継承が必要不可欠である.本研究では,それらの課題を解決するため,経験が少ない建設技術者の暗黙的認識力を高め,短期間で知識を習得する方法を提案する.この方法は,東日本大震災の復興事業に従事した技術者にインタビュー調査を行い,社会科学で用いられている質的調査法で分析した結果をもとに,自身の体験を検証したものである.今後,この方法を実践することで,震災復興事業の早期完了の実現の一助となることが期待できる.