2024 年 80 巻 23 号 論文ID: 24-23347
建設生産システム全体の生産性向上を図るため,3次元数値地形図データを起工測量,設計,施工および維持管理の各建設プロセスで受け渡して活用するi-Constructionが推進されている.しかしながら,維持管理工程で必要となる3次元データの精度や点群密度が検討されておらず,結果として3次元データを維持管理段階で活用する事例が増える傾向にないのが実情である.本論文は,BIM/CIMガイドラインに示される車載写真レーザ測量(MMS)を使った法面の維持管理法を実用化するための研究成果を記述する.具体的には,道路台帳附図等の作成・更新用として普及している地図情報レベル500仕様のMMSの基本特性を検証することで,MMSを使った維持管理が適用できる法面の大きさを考察し,当法面を対象にして,異なる2時期のレーザ点群を使って変状を定量化する手法の有用性を実証した.