2024 年 80 巻 25 号 論文ID: 24-25013
濃縮浄化槽汚泥の再生処理に適した創エネルギー・低炭素型資源化システムを確立するため, 近年の革新的技術シーズを考慮した濃縮浄化槽汚泥のエネルギー化・資源化の最新システムとして, エネルギー回収に対応する嫌気性膜分離法(Anaerobic membrane bioreactor, AnMBR)による高効率メタン発酵とHAP(Hydroxyapatite)型一槽式部分亜硝酸化アナモックス(Partial nitritation and anammox, PNA)法による窒素除去とリン回収を行った. 実際の汚泥を用いたAnMBRの長期連続運転実験を行い, 濃縮浄化槽汚泥から高いメタン収率を得ることができた. 一槽式HAP-PNAプロセスによる膜ろ水の平均窒素除去率は81.6%, リン除去率は73.2%であり, 窒素とリンの同時除去を実現できた. 本研究で開発したAnMBRと一槽式HAP-PNA法の処理システムは, エネルギー自給率が146–203%と高かった.