土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(環境システム)論文
住宅耐震化による災害廃棄物発生量の削減効果 ―南海トラフ巨大地震,関西圏を対象としてー
盛本 怜太郎橋本 征二
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2024 年 80 巻 26 号 論文ID: 24-26003

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抄録

 南海トラフ巨大地震を想定し,関西圏の府県・市区町村を対象に,住宅耐震化による災害廃棄物発生量の削減効果について検討した.このため,現状の耐震化率にもとづく現状シナリオ,耐震改修促進計画の目標耐震化率にもとづく耐震化計画シナリオ,耐震化率100%とする全耐震化シナリオを設定して分析した.その結果,現状シナリオに対して,耐震化計画シナリオ,全耐震化シナリオにおける災害廃棄物の削減量は,それぞれ約6.6百万ton,約10.6百万tonと推計された.全耐震化シナリオにおける削減量は,大阪府が最も多く3.4百万ton,次いで和歌山県の2.1百万ton,兵庫県の1.9百万tonであった.大阪府や和歌山県において災害廃棄物を40-50%程度削減できるのは、予想震度が6強以上を示す地域で耐震化が進んでいない市区町村を多く含むからである.

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