2024 年 80 巻 26 号 論文ID: 24-26002
本研究では,社会経済シナリオであるSSP(共有社会経済経路)別の洪水氾濫解析による浸水深データを用いて,気候変動と土地利用変化による災害廃棄物ポテンシャル量への影響評価を行った.その結果,気候変動によって,1981年から2000年の基準気候と比較して,2031年から2050年では1.10〜1.30,2081年から2100年では1.06〜1.43と災害廃棄物ポテンシャル量が増大しうることを示した.また,人口分布の変化による災害廃棄物ポテンシャル量への影響について分析した結果,人口減少により気候変動による災害廃棄物ポテンシャル量は減少するが,一人当たりの災害廃棄物ポテンシャル量という災害リスクは増大しうると示した.