2025 年 81 巻 1 号 論文ID: 24-00084
昨今の建設現場では労働者不足が問題であり,とりわけクレーン操縦者の減少が喫緊の課題となっている.この解決策として,クレーンの自動化による作業効率化が挙げられる.本研究ではクレーンのブームに取り付けられた単眼カメラから取得された動画像をもとに移動体検知を行なった.本論文では事前学習済みの物体検知モデルであるYOLOv8と状態推定のアルゴリズムであるカルマンフィルタを組み合わせて,時間的一貫性が保たれた物体検知手法を提案する.提案する手法の実用性を評価するために,精度・安定性・リアルタイム性を測定する指標を用いて,既存の手法と比較した.そして,クレーンの動作環境を模したシミュレータと実際の試験場で撮影された動画像における比較結果から提案する手法がクレーンの事例にふさわしいものであることを示した.