2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15004
浸透破壊は堤防や堰などにおいて古くから問題となっており,近年においては計算機性能の向上に伴い,解析的な研究が進められている.土粒子挙動の評価が可能な解析手法として離散要素法(DEM)を用いる場合,解析負荷低減のために実際の土粒子よりも大きな球形粒子によって地盤が表現される.しかし,解析粒子(DEM粒子)と実粒子との形状や寸法の差異が大きいほど,地盤の力学特性と水理特性の変化を同時に表現することは難しい.本研究では,比較的大きなDEM粒子を用いた場合でも力学特性と水理特性を共に表現することが期待できる多層球モデルを開発し,要素実験との比較により浸透破壊解析への適用性を確認した.