2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15008
鉄道におけるまくらぎの浮きは代表的な変状の一種であるが,目視での検知が難しく各種評価手法の開発が進められている.一方,軌道部材の破損に至る事例が報告されているものの,橋りょう上のまくらぎの浮きの評価法は道床区間ほど検討されていない.本研究では,デジタル画像相関法による全視野画像計測手法を橋りょうの斜め下から撮影した動画に適用するとともに,ホモグラフィ変換を援用することで1橋りょう上に存在する複数のまくらぎの浮きを一度の撮影で一括して抽出する手法の構築を行った.実路線における橋りょう上のまくらぎ18本への適用の結果,まくらぎとその直下の橋りょうの変位波形の差から7本のまくらぎが浮き状態にあること,推定結果が現地での隙間量の調査結果と整合的であることを明らかにした.