2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15010
近年いくつもの河川にアイスハーバー式魚道が採用されている.同魚道の通水部は潜孔と切欠きで,両流量式はトリチェリの定理および越流式より導出される.両流量式に含まれる流量係数は,潜孔あるいは切欠きのみを有する流れで得られた値が代用されているが,両者を通過する流れは相互に影響を与えるため,上記の代用は必ずしも適切とはいえない.本研究ではアイスハーバー式魚道において幾何学条件および水理条件を変化させ,潜孔および切欠きの流量係数を求めた.その結果,両流量係数は越流水深と切欠き厚との比の影響を受けることが判明したため,同比から潜孔および切欠きの流量係数を導出できる経験式を提案した.