市立大町山岳博物館研究紀要
Online ISSN : 2432-1680
Print ISSN : 2423-9305
ライチョウLagopus muta japonicaの代謝に影響する環境的要因の検討
太田 能之宮野 典夫野口 敦子田村 直也宮澤 美知子山上 達彦宮本 公寿高橋 幸弘吉村 映理宇野 なつみ堀口 政治長谷川 悦子
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2020 年 5 巻 p. 25-30

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抄録
ライチョウの代謝に対する影響要因の検討のため,ニホンライチョウとスバールバルライチョウをモデルに,飼育場所,月,地域特性に対する代謝的変動をクレアチニン/尿酸比を指標として調べた。ニホンライチョウは恩賜上野動物園(上野),市立大町山岳博物館(大町),富山市ファミリーパーク(富山)で飼育される1および2歳のファウンダーそれぞれ4,3および7羽の排泄物を1年間隔週1回採取した。スバールバルライチョウは大町の雄雌各1羽および茶臼山動物園(茶臼)雌雄ペア飼育2組,計雌雄各3羽から1ヶ月に1回,排泄物を採取した。さらに,上野の冬季照明個体2羽を含む4羽の排泄物について5月のみ採取した。加えて,長野県白馬岳において野生ニホンライチョウ1羽の排泄物を回収した。飼育下ニホンライチョウの排泄クレアチニン/尿酸比は,飼育場所および月と場所の交互作用の影響が認められ,大町で他園館より高くかつ年間変動がみられた(P<0.05)。1月の白馬個体の移動時に採取された排泄物のクレアチニン/尿酸比は大町と同様の値を示した。茶臼と大町のスバールバルライチョウの冬季の排泄物中クレアチニン/尿酸比の比較では大町のみで大きく上昇し,照明時間のみで夏冬の羽毛を再現している上野では数値的に差はなかった。地域環境がライチョウの代謝影響を及ぼす可能性が示唆された。
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© 2020 本論文著者
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