2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16009
洪水氾濫,内水氾濫,斜面崩壊を対象に,日本全域における気候・人口変動に伴う2015年から2100年にかけての曝露人口変化を共有社会経済経路(SSP)別に評価した.洪水氾濫,内水氾濫による曝露人口を45cm以上の浸水が発生した地域内に居住する人口と定義した.斜面崩壊の曝露人口を斜面崩壊発生確率が80%を超える地域内に居住する人口と定義した.いずれのSSPにおいても,正負を含む曝露人口変化率は,内水氾濫,洪水氾濫,斜面崩壊の順に高い結果となった.特にSSP5-8.5において内水氾濫の曝露人口が顕著に増加することが示された.気候変動と人口変動の単独の影響による曝露人口変化率をそれぞれ評価した結果,曝露人口に対して気候変動よりも人口変動の影響の方が支配的であることが示された.