土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
模型実験に基づく越流時河川橋桁周辺の流速・圧力分布特性の解明
上田 翔井上 隆窪田 利久柏田 仁二瓶 泰雄
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16098

詳細
抄録

 近年の豪雨災害の激甚化・頻発化に伴い,河川橋桁の流失が多発している.その要因を検討し,対策を考案するために,橋桁流失時における橋桁周辺の流況を正確に把握することが重要である.そこで本研究では,流失した橋梁をモデルとして,越流時の橋桁周辺の流速,圧力分布特性を明らかにすることを目的として模型実験を実施した.その結果,流速については,橋桁の上下面で非対称な分布となり,特に橋桁下面では高流速域が発達していることに加え,橋桁下流側で大きな乱れが発生していることが示された.また,圧力については,剥離の影響で,橋桁下面側において大きな負圧が発生しており,これにより越流時の流況において,橋桁には下向きの揚力が顕著に作用していることが示された.これらに基づき,揚力係数と無次元越流高さの関係性を明らかにした.

著者関連情報
© 2025 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top