2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16112
本研究では,袋詰玉石周囲の流れ場と袋詰玉石に作用する流体力を測定するため,袋詰玉石のモデルに水流が作用する開水路実験を行った.袋詰玉石の上下流断面で,流速分布および圧力分布を計測し,袋詰玉石周囲の流れの様子を明らかにした.さらに,袋詰玉石上下流断面で計測した流速と圧力分布を用いて,運動量収支を考慮することで袋詰玉石に作用する流体力を求めた.浮力と揚力を考慮して見積もった移動限界の摩擦力と運動量収支から求めた流体力の比較をとおして,流体力の算出に対し,圧力分布を計測し運動量収支を考慮する手法が効果的であることを示した.さらに,運動量収支をもとに,流体力を算出する場合には,静水圧分布とは異なる圧力を計測することが重要であることが確認された.