2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16134
九州地方の5つの流域における計画降雨相当の事例を対象に,空間解像度の異なる2つのメッシュアンサンブル気候予測データから得られる降水量に対してバイアス調整を行った結果を比較した.さらにバイアス補正結果を入力値とした数値シミュレーションにより河川流量を推計した結果を比較した.実験結果からいずれの解像度のデータを用いた場合も各流域の基本高水ピーク流量を再現することが示された.20km解像度実験では,アンサンブル実験数の多さから同等の流域平均雨量において基本高水ピーク流量を含む様々なピーク流量の結果が再現されていた.一方で,今回の流域においては5km解像度実験では限られたアンサンブル実験数の中で各流域の基本高水ピーク流量が再現されており,極端流量の評価における5km解像度実験結果利用の長所と短所が明らかとなった.