2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16181
浅水底のUAV写真測量で一般の商用解析ソフトウェアを使用する際,水面での視線の屈折が考慮されないため,水深が過小評価される.その対策として,推定された水深に適当な係数(水深過小評価倍率)を乗じる補正が行われている.しかしソフトウェアによる三角測量(座標推定)のアルゴリズムが不明であるため,それに準拠した水深過小評価倍率を求められないという問題があった.本研究では,視線が鉛直に近い写真のみを用いて水中点の三角測量を実施するという工夫により,三角測量アルゴリズムに関する単純な仮定を置いて実測水深を用いずに推定した水深過小評価倍率が,水中点の3次元位置によらず安定し,実測水深を用いて最適化した水深過小評価倍率にほぼ一致することを示し,水深過小評価の高精度な補正が可能になることを実証した.