2025 年 81 巻 6 号 論文ID: 24-00257
ペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の環境汚染対策では全分子結合を切断する無機化分解が必要とされる中,焼却処理は有望な技術といえる.しかし,従来の混焼処理はふっ化水素ガス(HF)の濃度抑制のため処理容量の低下を招いていた.本研究では,PFOS・PFOA含有水成膜泡消火剤(AFFF)フルスケール専焼炉を製作し,その能力を評価した.PFOSを33mg/kgまたはPFOAを370mg/kg含有するAFFFを約172L/hで焼却した結果,分解効率はそれぞれ>99.99979%,99.99996%を示した.また,排ガス温度を熱交換器出口で500°C以上,煙突で100°C程度とする管理でHFガスによる設備損傷とダイオキシン類の生成が効果的に抑制されることを確認した.