土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.27
SPH法を用いた波力低減型海域制御構造物に関する数値実験
古牧 大樹安野 浩一朗西畑 剛
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2011 年 67 巻 2 号 p. I_64-I_69

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抄録

 近年,粒子法は最大の弱点であった圧力擾乱が減少しつつある.特にWCSPH法は,元来圧縮性粒子として計算を行うため,圧力擾乱がより少ない.またポアソン方程式を使用せずに計算できるため他の粒子法より計算時間が短縮できる等,より実務への利用に適した解析方法である.しかし,波力算定の適用性を検証した事例はまだ少なく,実用化を図るためには,更なる検証が必要と考えられる.本研究では,複雑な形状のスリットを有する波力低減型海域制御構造物を対象に,2次元WCSPH法による再現計算を行い,波力特性に関して実験結果と比較することで,その適用性について検証した.結果,波力・波圧について,スリット部以外では粒子サイズに関わらず再現性が高く,スリット部では,粒子サイズとスリット幅との比が1:7.2以上であれば再現性が高いことがわかった.

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© 2011 公益社団法人 土木学会
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