抄録
防波堤の付加設備として機能させる波力発電装置の開発を目的として,下部ヒンジ振子型波力発電装置の開発と水理模型実験による性能評価を行った.発電装置には中空の三角形型の下部ヒンジ振子を使用し,それを防波堤を模擬した反射板前面に設置した.本研究により,装置設置位置と入射波長との無次元距離が発電効率に大きな影響を与えることを確認した.また,発電効率は波高水深比にも影響されることを確認した.本提案システムの入射波のエネルギーに対する発電効率は最大で7.3%を記録した.さらに反射率の算定結果より,本発電装置は波浪低減効果を有することも確認された.そして反射率も発電効率と同様,装置の設置位置によって影響を受けることが明らかとなった.