2013 年 69 巻 2 号 p. I_197-I_202
海洋を主とする公有水面での浚渫工事や埋立工事等において,発生する汚濁の拡散を防止するために設置される汚濁防止膜は,フロート部,カーテン部,アンカー等により構成され,近年カーテン部の再利用が進んでいる.ポリエステル織物が一般に用いられるカーテン部は経時劣化が避けられないことから,設置期間に対応した劣化強度を見込んで設計が行われる.この劣化強度は,データ数が比較的乏しいことなどから,特に再利用品については従来かなり安全側の設定が行われてきた.本研究では,汚濁防止膜カーテン強度の経時劣化評価法を構築することを目的として,実海域における実験データをはじめとする数多くの経時劣化データを収集し,設計に用いる劣化強度関数を提案した.