抄録
汚濁防止膜は,工事中に発生する汚濁の拡散を防止する環境対策を目的として設置され,設置期間中に汚濁防止膜の破損等により汚濁の流出があった場合は,自然環境の破壊など社会的に大きな影響を与えることになる.近年の循環型社会形成の観点から,レンタル製品の利用が進められているところであるが,材料の使用目的から簡単にリサイクルすることは困難であり,カーテン部の品質の確認手法が重要となる.しかし,汚濁防止膜のカーテン部に使用されているポリエステル織布の品質については,使用期間と劣化の関係について明確なデータが存在しない状況にある.そこで,同一現場における経年劣化の実態を把握するため,実海域に汚濁防止膜を設置し,定期的に供試体を採取し物理的特性の関係を研究した.