抄録
本研究では東京湾を対象とし,数値計算を適用する場合における静水圧および非静水圧の計算精度の検証をメッシュアスペクト比を変化させて検討した.東京湾において卓越して発生する内部波の選出を行うためモード解析を適用した.得られた内部波の周期を利用し,環境流体モデルFantomを使用してメッシュアスペクト比を5,10,25,50,100,500と変化させて静水圧および非静水圧の計算を行った.非静水圧でメッシュアスペクト比5の計算結果を基準として誤差評価を行い,内部波の砕波地点周辺の密度分布を再現するためには非静水圧計算を利用する必要があることが示された.計算誤差検証の結果,静水圧計算ではメッシュアスペクト比による誤差に変化はないことが分かった.さらに,非静水圧計算を利用する場合,メッシュアスペクト比10以下が望ましいことが示された.