抄録
一様風条件のもとに第3世代波浪推算モデルSWANによる風波の発達計算を行い,摩擦速度u*表示による無次元エネルギーε*や無次元ピーク周波数f*pと無次元吹送距離F*の関係およびピーク周期Tpと-1次・0次積率周期Tm-1,0の間の勾配値a0に及ぼす各パラメータの影響を調べた.結果の概要はつぎのようである.(1) 定常と非定常モードではε*とF*の関係に多少の相違がみられるが,1次元と2次元モードでは差を生じない.(2) 上記の関係に及ぼす格子間隔Δxや風速U10の影響は顕在化しないが,時間間隔Δtならびにソース関数の減衰項の係数δの影響は有意である.(3) 上記の関係に対するそれぞれの経験式を同時に満たす結果は再現されない.(4) Toba係数BTの平均値0.07は経験値0.062より約10%大きいが,変動は平均値の±5%以内に納まり,BTは定数に近い特性をもつ.