抄録
本研究では東南アジアでの石炭輸送効率を上げるための石炭貯蔵・払出浮体(以下,LFCSとする)を提案し,その基本構造を提案するとともに海上での基本特性について調べた.LFCSは全長590m,全幅160mであり,最大積載重量は50万tである極めて大排水量な浮体である.まず,大容量の石炭を貯蔵できるだけの構造断面を提案し,浮体全体の安定性を石炭積載方法ごとに調べた.数値計算にはFEMを適用し,静的な応力分布の評価も行った.別途,流力弾性応答問題を解くことで,重量分布が異なる条件での波浪中弾性応答を調べた.これらの結果から,重量分布や積載による重量変化によって波浪中弾性応答性状は異なるが,その差は必ずしも大きくないことがわかった.