抄録
緩傾斜護岸では,高波浪時において護岸背後の道路で通行障害が発生することがある.本研究では,まず現地調査を行って,越波による車両の危険性を明らかにした.水理模型実験では,3種類の周期条件に対して波高を変化させて,(1)海側車線部における最大越波水脈厚,(2)越波流量,(3)車両に働く水平波力,の特性を明らかにした.また,最も周期の長い条件に対して,最大越波水脈厚の空間分布を示した.さらに,最大越波水脈厚を指標として,車両に働く波圧分布を定式化するとともに,車両滑動実験によりその妥当性を確認した.