2017 年 73 巻 2 号 p. I_252-I_257
緩傾斜護岸の背後に位置する道路においては,高波時の越波により流木が打ち上げられ,通行障害が発生することがある.本研究では,現地調査を実施し,緩傾斜護岸における越波による流木の打ち上げ状況を明らかにした.水理模型実験では,縮尺1/40で現地の護岸と流木を再現し,不規則波を用いて流木の打ち上げ特性を調べた.実験では,3種類の周期条件に対して越波流量と流木の打ち上げ率の関係を明らかにするとともに,最も長い周期に対して流木の打ち上げに及ぼす流木の長さ,太さおよび比重の影響を調べた.流木の打ち上げ対策として,護岸前面の消波工の嵩上げによる効果を示した.さらに,当該道路の路肩に透過型フェンスを設置した状況を縮尺1/5の大型実験により再現し,流木を伴う流れによって透過型フェンスに働く力を評価した.